建設業では深刻な人手不足が続くなか、外国人労働者の採用を検討する企業が増えています。しかし、「建設業で外国人を雇用できるの?」「どの在留資格なら現場で働ける?」「技能実習と特定技能の違いは?」など、制度が複雑で判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、建設業で外国人労働者を採用するための条件や在留資格ごとの違い、自社に適した制度の選び方、採用時の注意点をわかりやすく解説します。外国人雇用を検討している建設業の経営者や採用担当者は、ぜひ参考にしてください。
- 30秒でわかる!このコラム記事のポイント
- 建設業で外国人労働者を雇用するための条件とは?
- 建設業界で外国人の受け入れが進んでいる理由
- 建設業で外国人を受け入れるための基本要件
- 建設業で採用できる外国人の在留資格
- 技能実習(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)
- 特定技能
- 技術・人文知識・国際業務(技人国)
- 永住者・定住者・日本人の配偶者等
- 技能実習・特定技能・技人国の違いを一覧で比較
- 技能実習(育成就労)と特定技能の違い
- 技人国は現場作業をしてもOK?
- 【建設業のニーズ別】どの制度を選ぶべき?
- 未経験者を長期的に人材育成するなら「技能実習(育成就労)」
- 即戦力を採用するなら「特定技能」
- 設計・施工管理などの専門職なら「技人国」
- 建設業で外国人を採用するまでの流れ
- 採用する制度を決める
- 必要な手続き・受け入れ準備を進める
- 監理団体・登録支援機関を活用するとスムーズ
- 建設業で外国人労働者を雇用する際の注意点
- 建設業特有の受入れ要件を確認する
- 在留資格の範囲を超える業務を任せない
- 外国人労働者が安心して働ける環境を整備する
- 監理団体・登録支援機関を活用する
- まとめ:建設業の外国人採用を成功させるなら協同組合APICOへ
- 建設業の外国人採用に関するQ&A
30秒でわかる!このコラム記事のポイント
- 建設業では、一定の要件を満たせば外国人労働者を採用・雇用できる
- 建設業で採用できる主な在留資格は、技能実習(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)・特定技能・技術・人文知識・国際業務(技人国)・永住者等の4種類
- 技能実習(育成就労)・特定技能・技人国は、それぞれ目的や対象業務、採用できる人材が異なる
- 未経験者を育成したいなら技能実習(育成就労)、即戦力なら特定技能、設計・施工管理などの専門職なら技人国が適している
- 外国人労働者を雇用する際は、在留資格の範囲を超える業務を任せず、建設業特有の受け入れ要件や法令を遵守することが重要
- 制度選びや受け入れに不安がある場合は、建設業に特化した監理団体・登録支援機関へ相談するとスムーズ
建設業で外国人労働者を雇用するための条件とは?

建設業では、一定の条件を満たせば外国人労働者を雇用できます。ただし、どの外国人でも採用できるわけではなく、在留資格ごとに従事できる業務や受け入れ要件が定められています。
また、建設業は安全管理や法令遵守が特に求められる業種であるため、外国人雇用に関する制度を正しく理解したうえで受け入れることが重要です。
まずは、建設業で外国人を雇用するための基本的な条件や、近年外国人材の受け入れが進んでいる背景について確認していきましょう。
建設業界で外国人の受け入れが進んでいる理由
建設業界で外国人材の受け入れが進んでいる背景には、深刻な人手不足があります。少子高齢化による生産年齢人口の減少に加え、技能労働者の高齢化が進み、若手人材の確保が大きな課題となっています。
こうした状況を受け、外国人材を重要な担い手として受け入れる企業が増えています。厚生労働省によると、令和7年10月末時点の外国人労働者数は約257万人と過去最多を更新しました。
さらに、厚生労働省の建設雇用改善計画では、建設分野で働く外国人材は2025年時点で約20.6万人と、2019年の約9.3万人から約2倍に増加しています。

※出典:厚生労働省「【別添2】 3 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和7年 10 月末時点)」
今後も人材確保の選択肢として、外国人雇用の重要性はますます高まると考えられます。
建設業で外国人を受け入れるための基本要件
建設業で外国人労働者を雇用するには、企業・外国人双方が法律や制度で定められた条件を満たす必要があります。特に重要なのは、外国人が建設業で就労可能な在留資格を取得していることと、その在留資格で認められた業務に従事することです。
また、企業側も労働関係法令を遵守し、制度ごとに定められた受け入れ基準を満たさなければなりません。これらの基本要件を満たしたうえで、適切な手続きを行うことが、外国人雇用の第一歩となります。
▼建設業で外国人を受け入れるための基本要件
- 建設業で就労可能な在留資格を取得していること
- 在留資格で認められた業務内容で雇用すること
- 企業が労働関係法令を遵守していること
- 技能実習・特定技能など、制度ごとの受け入れ基準を満たしていること
これらの要件を正しく理解し、適切な受け入れ体制を整えることが、外国人材が安心して働ける職場づくりと、企業のリスク軽減につながります。
技能実習生の受け入れ企業に求められる条件・資格を分かりやすく解説、技能実習生の受け入れは何から始める?企業が知るべき全体の流れと必要手続きのコラムも、ぜひお読みください。
建設業で採用できる外国人の在留資格

建設業で外国人を採用する際は、まず「どの在留資格で働けるのか」を理解することが重要です。
在留資格によって従事できる業務や受け入れの目的が異なるため、自社の採用ニーズに合った制度を選ぶ必要があります。例えば、未経験者を育成しながら受け入れる場合と、即戦力となる人材を採用したい場合では、適した在留資格は異なります。
ここでは、建設業で採用できる主な在留資格の特徴や違いについて、それぞれわかりやすく解説します。
技能実習(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)
技能実習は、開発途上国への技能移転を目的として創設された制度で、建設業でも多くの企業が活用しています。未経験の外国人材を受け入れ、日本の建設技術や技能を習得してもらいながら育成できる点が特徴です。
ただし、2027年4月からは人材育成と人材確保を目的とした「育成就労制度」へ移行する予定となっており、今後は新制度に基づく受け入れへと切り替わります。
▼技能実習(育成就労)の主な特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 技能移転(2027年4月以降は人材育成・人材確保) |
| 対象者 | 建設業の未経験者が中心 |
| 特徴 | 技能を習得しながら働ける |
| 向いている企業 | 長期的な人材育成を考えている企業 |
技能実習制度から育成就労制度への移行に伴い、制度の目的や仕組みが見直されるため、外国人材の受け入れを検討している企業は、最新の制度内容を確認しておくことが重要です。
【企業必見】技能実習「1号・2号・3号」の違いを徹底解説:最長5年間の受け入れ成功ロードマップ、「育成就労制度」2027年施行へ!技能実習制度との違いと押さえておくべきポイントのコラムも、ぜひお読みください。
特定技能
特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で、一定の知識や技能を持つ外国人材を即戦力として受け入れるための在留資格です。建設業も対象分野の一つであり、技能試験や日本語試験に合格するなど、一定の要件を満たした外国人を雇用できます。
技能実習(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)のように人材育成を主な目的とした制度ではなく、企業の人材確保を目的としているため、採用後は比較的早い段階で現場での活躍が期待できます。人手不足を早期に解消したい建設会社に適した制度です。
▼特定技能の主な特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 人手不足分野における即戦力人材の確保 |
| 対象者 | 技能試験・日本語試験に合格した外国人など |
| 特徴 | 一定の知識・技能を有し、比較的早く現場で活躍できる |
| 向いている企業 | 即戦力となる外国人材を採用したい企業 |
特定技能制度とは?1号・2号の違いと受け入れ企業が押さえる実務ポイント、【企業向け】特定技能外国人受け入れの流れをわかりやすく解説のコラムも、ぜひお読みください。
技術・人文知識・国際業務(技人国)
技術・人文知識・国際業務(通称「技人国(ぎじんこく)」)とは、専門的な知識や技術を活かして働く外国人のための在留資格です。建設業では、設計や施工管理、CADオペレーター、海外取引など、専門性を必要とする業務に従事できます。
一方で、資材運搬や足場の組立てなど、現場での単純作業を主な業務とすることは認められていません。そのため、現場作業員として外国人を採用したい場合は、特定技能など他の在留資格を検討する必要があります。技術職や管理職など、高度な専門人材を採用したい企業に適した在留資格です。
▼技術・人文知識・国際業務(技人国)の主な特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 専門的な知識・技術を活かした業務への従事 |
| 対象者 | 大学卒業者など一定の学歴・職歴要件を満たす外国人 |
| 従事できる業務 | 設計、施工管理、CAD、海外営業・通訳など |
| 従事できない業務 | 建設現場での単純作業や作業員としての業務 |
| 向いている企業 | 技術職・施工管理職などの専門人材を採用したい企業 |
永住者・定住者・日本人の配偶者等
永住者・定住者・日本人の配偶者等は、就労に制限のない在留資格です。そのため、技能実習や特定技能のような制度の対象ではなく、建設業でも日本人と同様に幅広い業務に従事できます。
永住者は、一定期間日本に在留し、素行や生計などの要件を満たして永住許可を受けた人です。定住者は、日系人や特別な事情により法務大臣から居住を認められた人を指します。日本人の配偶者等は、日本人の配偶者や実子などに与えられる在留資格です。
いずれも就労範囲に制限がないため、現場作業を含め、企業のニーズに応じた柔軟な雇用が可能です。
▼永住者・定住者・日本人の配偶者等の主な特徴
| 在留資格 | 概要 | 就労の可否 |
|---|---|---|
| 永住者 | 永住許可を受け、日本に永続的に在留する人 | 制限なし |
| 定住者 | 日系人など、特別な事情により在留が認められた人 | 制限なし |
| 日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者や実子など | 制限なし |
技能実習・特定技能・技人国の違いを一覧で比較
建設業で外国人材を採用する際は、技能実習(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)、特定技能、技術・人文知識・国際業務(技人国)の違いを理解しておくことが重要です。それぞれ制度の目的や対象となる人材、従事できる業務が異なるため、自社の採用目的に合った在留資格を選ぶ必要があります。
まずは3つの制度の違いを一覧で確認し、その後、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
▼技能実習・特定技能・技人国の違い【比較一覧】
| 項目 | 技能実習 ※2027年4月から育成就労制度へ移行予定 |
特定技能 | 技術・人文知識・国際業務(技人国) |
|---|---|---|---|
| 制度の目的 | 技能移転 | 人手不足分野の人材確保 | 専門知識・技術を活かした業務への従事 |
| 主な対象者 | 未経験者 | 一定の技能・日本語能力を有する人 | 大学卒業者など専門知識を有する人 |
| 主な業務 | 建設現場での技能習得 | 建設現場での業務 | 設計、施工管理、CAD、海外営業など |
| 現場作業 | ○ | ○ | △(専門業務に付随する範囲。単純作業のみは不可) |
| 向いている企業 | 人材を長期的に育成したい | 即戦力を採用したい | 技術職・施工管理職など専門人材を採用したい |
※2026年7月時点では技能実習制度が運用されていますが、2027年4月から育成就労制度へ移行予定です。
技能実習(育成就労)と特定技能の違い
技能実習(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)と特定技能は、どちらも建設業で外国人材を受け入れるための制度ですが、制度の目的や対象者、求められる役割が異なります。
技能実習は、外国人材を育成しながら技能を習得してもらうことを目的としているため、未経験者の受け入れが中心です。一方、特定技能は一定の知識や技能を持つ外国人材を即戦力として採用する制度であり、早期に現場で活躍できる人材の確保に適しています。
なお、2026年7月時点では技能実習制度が運用されていますが、2026年9月1日から育成就労計画の認定申請に関する事前受付が開始され、2027年4月からは育成就労制度へ移行する予定です。
自社の採用目的や人材育成方針に合わせて制度を選ぶことが重要です。
▼技能実習(育成就労)と特定技能の比較
| 項目 | 技能実習 ※2027年4月から育成就労制度へ移行予定 |
特定技能 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 技能移転(※) | 人手不足分野の人材確保 |
| 主な対象者 | 未経験者 | 一定の技能・日本語能力を有する人 |
| 求められる役割 | 技能を習得しながら働く | 即戦力として現場で活躍する |
| 向いている企業 | 人材を長期的に育成したい | 即戦力を採用したい |
技人国は現場作業をしてもOK?
結論から言うと、技術・人文知識・国際業務(技人国)の在留資格では、建設現場で単純な現場作業を主な業務として行うことは原則認められていません。
技人国は、専門的な知識や技術を活かした業務に従事するための在留資格であるためです。ただし、設計や施工管理などの専門業務を行ううえで必要な範囲であれば、現場での立ち会いや確認作業などを行うことは可能です。
現場作業員として外国人材を採用したい場合は、特定技能など他の在留資格を検討しましょう。
▼技人国で従事できる業務・できない業務の例
〇 従事できる業務
- 設計・積算
- 施工管理
- CADオペレーター
- 品質管理
- 海外営業・通訳
- 専門業務に伴う現場での確認・立ち会い
✕ 原則として認められない業務
- 足場の組立て
- 型枠・鉄筋・左官などの現場作業
- 資材運搬
- 建設現場での単純作業を主な業務とする仕事
【建設業のニーズ別】どの制度を選ぶべき?
建設業で外国人材を採用する際は、「どの制度が優れているか」ではなく、「自社の採用目的に合っているか」という視点で選ぶことが重要です。
例えば、未経験者を育成しながら長く活躍してもらいたい場合と、すぐに現場で活躍できる人材を確保したい場合では、適した在留資格は異なります。また、設計や施工管理など専門職を採用する場合は、技術・人文知識・国際業務(技人国)が選択肢となります。
ここでは、建設業のニーズ別におすすめの制度を紹介します。
未経験者を長期的に人材育成するなら「技能実習(育成就労)」
未経験の外国人材を採用し、時間をかけて育成したい建設会社には、技能実習制度(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)が適しています。建設業に必要な知識や技能を実務を通じて習得してもらえるため、自社の業務に合わせて人材を育成できることが大きなメリットです。
また、育成就労制度への移行後は、人材育成に加え、人材確保も制度の目的となります。長期的な人材確保を見据える企業にとって、有力な選択肢の一つといえるでしょう。なお、育成就労を修了し、一定の要件を満たした外国人材は、特定技能へ移行することも可能です。
▼技能実習(育成就労)で外国人材を受け入れる流れ

即戦力を採用するなら「特定技能」
一定の知識や技能を持つ外国人材をできるだけ早く現場で活躍させたい場合は、特定技能がおすすめです。特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で即戦力となる外国人材を受け入れるための制度であり、建設業も対象分野に含まれています。
技能実習(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)のように一から人材を育成する制度とは異なり、一定の技能や日本語能力を備えた人材を採用できるため、人手不足の早期解消が期待できます。
また、受け入れ後は登録支援機関による支援を活用することで、外国人材が安心して働ける環境を整えることも重要です。
▼特定技能で外国人材を受け入れる流れ

設計・施工管理などの専門職なら「技人国」
設計や施工管理、CADオペレーターなどの専門職を採用したい建設会社には、技術・人文知識・国際業務(技人国)が適しています。技人国は、専門的な知識や技術を活かす業務を対象とした在留資格であり、建設現場での単純作業を目的とした雇用には利用できません。
一方で、設計や施工管理など専門性が求められる業務では、外国人材の知識や経験を活かせます。職務内容が在留資格で認められる範囲に該当するかを事前に確認したうえで採用することが重要です。
▼技術・人文知識・国際業務(技人国)の種類
| 区分 | 主な業務内容 | 建設業での例 |
|---|---|---|
| 技術 | 理学・工学などの技術を活かす業務 | 設計、施工管理(現場監督・工程管理・品質管理・安全管理・施工計画の作成など専門的・技術的業務が中心)、CADオペレーター、品質管理 |
| 人文知識 | 法律・経済・経営などの知識を活かす業務 | 総務、人事、経理、営業企画、調達 |
| 国際業務 | 外国の文化や語学力を活かす業務 | 海外営業、通訳・翻訳、海外取引、海外人材のサポート |
職務内容が在留資格「技術・人文知識・国際業務」の対象となるか判断に迷う場合は、出入国在留管理庁が公表しているガイドラインや許可・不許可事例を確認するとよいでしょう。また、制度は法改正や運用の見直しによって変更されることもあるため、最新情報を確認することが大切です。
自社の業務内容が在留資格の対象となるか判断に迷う場合は、建設業の外国人雇用に精通した監理団体・登録支援機関である協同組合APICOへお気軽にご相談ください。
建設業で外国人を採用するまでの流れ
建設業で外国人労働者を採用する際は、在留資格や制度を決めるだけでなく、その後の手続きや受け入れ準備まで計画的に進めることが重要です。制度によって必要な申請や準備期間が異なるため、あらかじめ全体の流れを把握しておくことで、スムーズな受け入れにつながります。
ここでは、建設業で外国人材を採用するまでの一般的な流れを、3つのステップに分けて解説します。
採用する制度を決める
外国人材の採用を検討する際は、まず自社のニーズに合った制度を選ぶことから始めます。未経験者を育成したいのか、即戦力を確保したいのか、あるいは設計・施工管理などの専門職を採用したいのかによって、適した在留資格は異なります。
制度選びを誤ると、採用後に「想定していた業務に従事させられない」といった事態にもなりかねません。技能実習(育成就労)・特定技能・技人国それぞれの目的や対象業務を比較したうえで、自社の採用目的に最も合致する制度を選定しましょう。判断に迷う場合は、建設業に精通した監理団体・登録支援機関へ早めに相談することをおすすめします。
必要な手続き・受け入れ準備を進める
採用する制度が決まったら、それぞれの制度に応じた手続きを進めます。例えば技能実習(育成就労)では技能実習計画(育成就労計画)の認定申請、特定技能では在留資格認定証明書交付申請や特定技能雇用契約の締結などが必要です。技人国の場合も、学歴・職歴要件を満たしているかの確認や、在留資格認定証明書交付申請などの手続きが求められます。
あわせて、社会保険の加入状況や就業規則、住居・生活支援体制の整備など、受け入れ側の準備も並行して進める必要があります。制度ごとに必要書類や審査期間が異なるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。
監理団体・登録支援機関を活用するとスムーズ
外国人材の採用手続きは専門性が高く、初めて受け入れる企業にとっては負担が大きいのが実情です。そこで活用したいのが、建設業に精通した監理団体・登録支援機関です。
技能実習(育成就労)であれば監理団体が実習計画の作成支援や受け入れ後の監査・指導を、特定技能であれば登録支援機関が義務的支援や各種手続きのサポートを行います。専門機関のノウハウを活用することで、書類作成の手間や制度理解の負担を軽減し、採用から受け入れ後の定着支援までをスムーズに進めることができます。
建設業の外国人採用でお悩みの際は、20年以上の実績を持つ協同組合APICOへぜひご相談ください。
建設業で外国人労働者を雇用する際の注意点

建設業で外国人労働者を雇用する際は、在留資格を取得しているだけで安心というわけではありません。在留資格で認められた業務範囲を守ることはもちろん、建設業特有の受け入れ要件や労働関係法令を遵守し、外国人材が安心して働ける環境を整えることも重要です。
制度への理解が不十分なまま受け入れると、法令違反やトラブルにつながるおそれがあります。外国人を不法就労させたり斡旋したりする「不法就労助長罪」が成立すると、事業主には3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(またはその両方)が科されます。さらに、入管法改正により2027年4月以降は最大で「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」へと厳罰化されます。
ここでは、建設業で外国人材を受け入れる際に押さえておきたい主な注意点を解説します。
建設業特有の受入れ要件を確認する
建設業で外国人材を受け入れる場合は、在留資格の要件だけでなく、建設分野特有の受け入れ基準も確認する必要があります。特に特定技能や技能実習(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)では、受け入れ企業に対してさまざまな要件が定められています。
これらの要件を満たしていない場合、外国人材を受け入れられないこともあるため、事前の確認が欠かせません。不明な点がある場合は、監理団体や登録支援機関へ相談しながら準備を進めると安心です。
▼建設業で確認しておきたい主なポイント
- 建設業許可を取得しているか(必要な場合)
- 社会保険へ適切に加入しているか
- 労働関係法令を遵守しているか
- 制度ごとに定められた受け入れ基準を満たしているか
- 国土交通省への各種届出・計画認定などが必要か
- 最新の制度改正や運用ルールを確認しているか
在留資格の範囲を超える業務を任せない
外国人労働者を雇用する際は、在留資格で認められた業務の範囲を超える仕事を任せないことが重要です。例えば、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」は、設計や施工管理など専門性を要する業務を対象とした在留資格であり、建設現場での単純作業を主な業務として行うことは認められていません。
在留資格の範囲を超えた業務に従事させると、外国人本人だけでなく、受け入れ企業も不法就労助長罪などに問われる可能性があります。採用前だけでなく、配属先や担当業務を変更する際にも、在留資格との適合性を確認しましょう。
▼業務内容を確認する際のポイント
- 在留資格で認められた業務内容を事前に確認する
- 雇用契約書・職務内容と実際の業務に相違がないようにする
- 配属先や担当業務を変更する際は、在留資格との適合性を再確認する
- 判断に迷う場合は、出入国在留管理庁の公表資料や専門機関へ相談する
- 建設業の外国人雇用に不安がある場合は、監理団体・登録支援機関のサポートを活用する
外国人労働者が安心して働ける環境を整備する
外国人労働者が安心して長く活躍するためには、受け入れ体制の整備も欠かせません。特に建設業では、安全に関わる業務が多いため、日本語能力に応じた安全衛生教育や、作業手順を分かりやすく伝える工夫が重要です。
また、厚生労働省の「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」では、労働条件の明示や適切な雇用管理、安全衛生教育の実施など、事業主が取り組むべき事項が示されています。
外国人労働者が安心して働ける職場環境を整えることは、定着率の向上や人材不足の解消にもつながるでしょう。
▼厚生労働省「外国人雇用管理指針」で示されている主な内容(一部抜粋)
- 労働条件を外国人労働者が理解できる方法で明示すること
- 労働関係法令を遵守し、適切な雇用管理を行うこと
- 安全衛生教育を分かりやすく実施すること
- 日本語学習や生活面に関する支援に努めること
- 相談しやすい職場環境づくりに配慮すること
監理団体・登録支援機関を活用する
建設業で外国人材を円滑に受け入れるためには、監理団体や登録支援機関を活用することも有効です。
技能実習制度では、監理団体が実習の適正な実施や受け入れ企業への監査・指導などを行います。また、特定技能では、受け入れ企業は外国人材への支援を自社で実施するか、登録支援機関へ委託するか選択することができます。
制度ごとに必要な手続きや支援内容は異なるため、制度を正しく理解し、建設業に精通した専門機関と連携することで、法令遵守と外国人材の定着の両立につながります。
制度選びや受け入れ体制の構築に不安がある場合は、建設業の外国人雇用を数多くサポートしてきた協同組合APICOへお気軽にご相談ください。
▼監理団体・登録支援機関の主な役割
| 区分 | 主な役割 |
|---|---|
| 監理団体 | 技能実習生の受け入れ支援、監査・訪問指導、実習計画の適正な実施支援 |
| 登録支援機関 | 特定技能外国人への義務的支援(生活オリエンテーション、相談対応、日本語学習支援など)の実施・受け入れ企業のサポート |
技能実習・育成就労制度はどこに相談する?監理団体・監理支援機関の違いや選び方をわかりやすく解説のコラムも、ぜひお読みください。
まとめ:建設業の外国人採用を成功させるなら協同組合APICOへ
建設業で外国人労働者を採用する際は、自社の採用目的に応じて適切な在留資格や制度を選び、法令を遵守した受け入れ体制を整えることが重要です。しかし、技能実習(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)や特定技能などの制度は複雑で、制度改正への対応も求められるため、自社だけで判断するのが難しいケースも少なくありません。
協同組合APICOは、建設業・製造業に特化した監理団体・登録支援機関として、20年以上にわたり外国人材の受け入れを支援してきた豊富な実績があります。また、国から「一般監理事業」の許可を受けた優良監理団体として、制度選びから受け入れ後のフォローまで一貫してサポートしています。建設業の外国人採用をご検討中の方は、ぜひお気軽に協同組合APICOへご相談・お問い合わせください。
建設業の外国人採用に関するQ&A
Q1.建設業では外国人アルバイトを採用できますか?
A1.はい、外国人アルバイトを採用できる場合があります。ただし、誰でも自由に働けるわけではなく、在留資格によって就労の可否や条件が異なります。例えば、「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ外国人は、「資格外活動許可」を受けていれば、原則として週28時間以内のアルバイトが可能です。
一方で、建設現場での業務内容によっては従事できない場合もあるため、採用前に在留カードや資格外活動許可の有無、従事できる業務内容を必ず確認しましょう。不明な場合は、出入国在留管理庁や監理団体・登録支援機関へ相談することをおすすめします。
Q2.技人国では建設現場の作業員として働けますか?
A2.原則としてできません。技術・人文知識・国際業務(技人国)は、設計や施工管理、CADオペレーターなど、専門的な知識や技術を活かす業務を対象とした在留資格です。そのため、資材運搬や足場の組立てなど、建設現場での単純作業を主な業務として行うことは認められていません。
ただし、施工管理や設計などの専門業務に付随する現場での立ち会いや確認作業は認められる場合があります。採用前には、職務内容が在留資格の範囲内かを必ず確認しましょう。
Q3.登録支援機関や監理団体は必ず利用しなければなりませんか?
A3.制度によって異なります。特定技能では、受け入れ企業が外国人材への支援を自社で適切に実施できる体制を整えていれば、登録支援機関の利用は必須ではありません。ただし、多くの企業では、複雑な手続きや義務的支援への対応を円滑に進めるため、登録支援機関へ委託しています。
一方、技能実習制度(2027年4月から育成就労制度へ移行予定)では、一般的に監理団体を通じた受け入れが行われます。制度を適切に運用し、外国人材が安心して働ける環境を整えるためにも、建設業に精通した監理団体・登録支援機関へ相談することをおすすめします。