「技能実習法」の改正点についてわかりやすく解説!

1993年に創設された技能実習制度ですが、昨年2017年11月1日にその根拠法となる「技能実習法」が改正・施行されました。
従来の仕組みとどこが変わったのか、どう影響が出てくるのか、制度を利用する企業の方にとっても大きく関わってくる部分となります。
本日は、その変更点について紹介していきたいと思います。

「外国人技能実習機構」の新設


今回の改正により、「外国人技能実習機構 (OTIT)」が新たに創設されました。
以前まで、「国際研修協力機構 (JITCO)」が持っていた業務・権限等の引継・強化がされることとなりました。

具体的には以下の通りです。

  • 監理団体の許可申請の受理
  • 技能実習計画の認定
  • 実習実施者の届出の受理
  • 実習実施者や監理団体に対する指導監督(実地検査・報告徴収)
  • 技能実習生からの申告・相談の窓口

これまでは、JITCOが検査を行っておりましたが、行政指導をする権限はなく、不適切な監理がなされていた監理団体もありました。
しかし、今後は外国人技能実習機構の行う臨検により、指示に従わない場合は監理団体の許可取消といったことも起こりうることとなります。

実習実施者の届出制


実習実施機関が適正か否かは、これまでは実習生各々がビザを申請する際に入国管理局で確認していました。
今後は実習実施者が技能実習を始めた際に、遅滞なく届出をしなければならないこととなりました。

技能実習計画の認定制


これまで、入国管理局における在留資格認定の手続きの中技能実習計画をチェックしておりました。
ですが、新制度では外国人技能実習機構で事前に認定を受けることが必須となりました。
技能実習生ひとりごとに申請書や添付書類を用意する必要があり、認定を受けた後でも、申請通りの計画が進められていないと認定取消となる可能性もあります

監理団体の許可制


以前は申告制でしたが、今後は主務大臣の許可がないと監理業務を行えないことになりました。
また、同じ監理団体でも「特定監理事業団体」と「一般管理事業団体」の2種類があります。

特定監理事業団体
1号と2号の技能実習の監理事業が取り扱え、実習期間が最長3年となります。

一般監理事業団体
1号から3号まで取り扱え、実習期間が最長5年の優良認定団体となります。協同組合APICOは、この一般監理事業の認定をいただいております。

優良な実習実施者・監理団体への優遇措置


優良な実施者や監理団体には、実習期間の延長や受入人数枠・対象職種の拡大といった優遇措置が受けられるようになります。
優良団体には、違法行為がないことはもちろん、技能評価試験の合格率やフォロー体制などをポイントによって評価し、120点満点のうち60%以上を満たすことが条件となります。
よって、これがクリアできないと一度優良認定を受けた団体でも、取消がされることもあります。

技能実習生の保護


新制度では、技能実習生の保護のため、技能実習の強制、違約金設定、パスポートや在留カードの保管などに対する禁止規定、これに違反した場合の罰則を定めています。
また、実習実施者又は監理団体の違法行為があった場合に、技能実習生が通報・申告することができ、技能実習生からの相談に応じる体制を整備しました。
まだ課題のある技能実習制度ですが、来日した実習生が少しでもより働きやすくなることが改正目的のひとつでもあります。

まとめ


今回は、法改正によって大きく変わった部分をメインに紹介してまいりました。
公正な技能実習制度の運営に向けた「取締強化」と「優遇措置」というのが改正の二本柱となっております。
改正によって、技能実習制度を利用する企業側の負担が増えた部分もございますが、協同組合APICOではそのような方々への支援を行っております。
ご不明な点等がございましたら、お気軽にご相談ください。

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