皆さんは、技能実習生がどういう存在なのかについて考えたことはありますか?
なんとなく、イメージはつくかもしれませんが、明確なイメージはつかないかもしれません。
今回は技能実習生という定義について、解説をし、その問題点について書いていきたいと思います。
技能実習生とは何か
技能実習生とは、発展途上国の若く意欲的な方たちが、日本で技能を学び
母国に帰国して、経済発展に寄与してもらうといった制度です。
しかし、この定義によって、様々な問題が発生しています。
それでは、具体的な3つの問題について触れていきたいと思います。
問題①最低賃金で雇用可能であること
技能実習生は、あくまでも「技能を学びにきている」ので
労働者ではありません。
そのため、最低賃金でも雇用することが可能となっております。
これが関東圏であれば、問題はないですが、地方圏になってくると話は変わってきます。
技能実習生は、入国後集団で1ヶ月講習を受けてから、それぞれの企業へ配属されます。
しかし、彼らの多くは配属後もFacebook等を使って情報交換をします。
その際に、関東圏に配属された実習生と、地方圏に配属された実習生とで
賃金の共有も行われる事が多いです。
関東圏と地方圏の最低賃金の額はかなり異なるため、地方圏に配属された実習生は
賃金に不満を覚えたり、企業に不信感を抱いてしまい、失踪に繋がることもあります。
ですので、APICOでは地方圏に配属された実習生に関しては、
最低賃金以上での雇用を強く推奨しております。
関東圏並みに上げなくても、企業側が最低賃金から上げていることを実習生に伝えれば
その気持ちは実習生にも伝わり、満足度の向上や失踪防止に繋がります。
問題②技能実習生=労働者と企業が捉えがちなこと
先程も述べたように、技能実習生は技能を学びに来ています。
ですので、日本の慣習で言うならば、弟子入り等がイメージに近いでしょう。
しかしながら、企業にとっては労働者と捉え、
人材不足の解消のために技能実習生を受け入れようと考えている企業もあります。
そのため、すぐに仕事をやらせたりするなど
スキルアップのためではなく、自社の利益のために動かそうとしてしまいがちです。
技能実習生はあくまでも技能を学びに来ているため
特に1期生に関しては、根気強く教える必要があります。
これに関していえば、1期生にしっかり業務を覚えさせるかで
企業の実習生の質は大幅に変わります。
1期生が業務を覚えれば、彼らも後輩に対して丁寧に業務を教えるため
技能の向上はもちろんですが、企業側にとってもメリットがあります。
受け入れている技能実習生の質が低いと思っている企業の方は
ぜひ一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
問題③企業から企業へ移るのが難しいこと
実習生を受け入れている企業には、あまり実習生を受け入れるのに
推奨されない企業も中には存在します。
こちらに関しては、事前に企業の実態を把握することが必要ですが
なかなか受入れた後でないとわからないケースが多いです。
また、それがわかったとしても余程の理由がない限り
技能実習生が他の企業へ移籍することは難しいです。
原則的に配属された企業で3年間(優良の場合は5年間)実習を行う必要があります。
実習生からすれば逃れられない環境でもあるため、それが失踪や途中帰国に繋がる場合もあります。
この問題に対しては、監理団体側がしっかり指導や勧告をすることが重要です。
APICOでは実際に、企業に問題があり、それが改善されない場合、
今後の受入れをお断りさせて頂く場合もございます。
なぜなら、こういった企業の場合、技能実習生も企業も幸せになれない結果に至ることが多いためです。
そういった意味で、大変心苦しくはありますが、受入れをお断りさせて頂くこともございます。
まとめ
技能実習生という定義による問題について解説致しました。
上述のように、確かに問題はありますが、断言できることもあります。
それは、技能実習制度そのものは社会貢献性が高く、素晴らしい制度であるということです。
監理団体の人間が言うと胡散臭くなりますが笑、これは本心で言っています。
技能実習生として来る方たちは、人生を変えたいという思いで来ることが多いです。
そのため、責任は重大ですが、やりがいも非常にあります。
APICOのケースで言えば、技能実習制度で来日をして、日本が好きになり
大学に行って、就労ビザを取得し通訳で働いている社員もいます。
このように、技能実習制度は来る方たちの人生を大きく変える制度でもあるのです。
APICOはその責任をしっかり果たしていることもあり、国から優良認定を頂いております。
この意識を持って、日々の業務に取り組んでいく次第です。