技能実習生の受け入れを検討している企業にとって、「何から始めればよいのか」「どの機関が関わるのか」「入国までどれくらい時間がかかるのか」は特に気になるポイントです。本コラムでは、受け入れ準備から監理団体との連携、技能実習計画の申請、在留資格手続き、入国前講習、就業開始後のフォローまでをステップ形式でわかりやすく解説します。
2027年4月施行予定の育成就労制度への移行も踏まえ、2026年に受け入れを進める企業が押さえるべきポイントをまとめました。
- よくわかる用語解説
- 技能実習生受け入れの流れを簡単に紹介
- ステップ1:受け入れの可否を確認する
- 技能実習で受け入れ可能な職種・作業を確認
- 企業側の受け入れ要件をチェック
- ステップ2:監理団体と契約し、受け入れ計画を立てる
- 監理団体が担う役割と企業が準備すべきこと
- 送り出し機関との連携と候補者の選抜フロー
- ステップ3:技能実習計画の作成と外国人技能実習機構への申請を行う
- 申請時に必要な書類と審査のポイント・留意事項
- ステップ4:在留資格「技能実習」の申請を進める
- 在留資格申請の流れ
- 審査期間の目安と注意点(2026年時点)
- ステップ5:入国前講習・雇用契約・入国準備を行う
- 入国前講習(法定講習)の内容と期間
- 雇用契約の締結と入国までの最終準備
- ステップ6:技能実習開始後のフォローと育成就労制度への移行対応
- 実習開始後の監理団体のサポートと企業の役割
- 2027年4月施行予定の育成就労制度への移行スキーム
- 今から受け入れる企業は技能実習と育成就労のどちらを選ぶべきか
- まとめ:初めてでも迷わない技能実習生受け入れの進め方
- 技能実習生受け入れの流れに関するQ&A
30秒でわかる!このコラム記事のポイント
- 受け入れの第一歩は職種確認と監理団体への相談。 制度説明・書類作成・候補者選抜まで伴走してもらえるため、早期連携が重要。
- 技能実習の審査期間は1〜3か月が一般的。 書類不備や繁忙期で遅延しやすく、最新様式の確認が必須。
- 入国前講習は1か月以上の期間かつ160時間以上が義務。 日本語・生活ルール・労働法令・安全衛生を体系的に学び、講習修了後に雇用契約へ進む。
- 実習開始後は企業と監理団体が役割分担。 企業はOJTと職場管理、監理団体は定期監査・生活相談・計画運用の確認を担当。
- 2027年4月から育成就労制度が開始予定。 技能実習は2027年2月まで申請可能で、以降は育成就労が基本となる移行期にある。
- 制度選択は受け入れ時期と人材ニーズで判断。 短期確保なら技能実習、中長期の戦力化なら育成就労が適する。
よくわかる用語解説
今回の記事では、技能実習生の受け入れに関わる複数の機関や制度が登場します。これらはそれぞれ役割が異なり、理解せずに読み進めると「誰が何をしているのか」が分かりづらくなるポイントでもあります。そこで本記事では、あらかじめ主要な用語と役割を整理しています。全体の流れをスムーズに理解するための前提知識として、まずは以下の用語を押さえておきましょう。
監理団体は企業の受け入れ手続きを実務的にサポートします。OTIT(外国人実習機構)は制度全体を監督する国の機関です。なお、JITCO(国際人材協力機構)は制度の理解や研修のための支援団体ですが、受け入れフローには直接関わりません。
| 名称 | 説明 | 企業との関わり |
|---|---|---|
| 監理団体 | 実習生受け入れの手続きを代行・管理する団体。協同組合など非営利団体が多い | ○ |
| OTIT(外国人技能実習機構) | 制度全体を監督する国の機関。技能実習計画の認定・監査 | △(申請で関わる) |
| 送り出し機関 | 実習生を募集・教育する海外の機関 | ×(基本は監理団体が窓口) |
| 送出国政府 | 実習生の保護・送り出し機関の認可などを行う | × |
| JITCO(国際人材協力機構) | 制度の支援・教育・相談機関。企業や監理団体向けに研修・情報提供 | × |
技能実習生受け入れの流れを簡単に紹介
外国人技能実習生の受け入れは、企業・監理団体・OTIT(外国人技能実習機構)がそれぞれの役割を分担して進めます。以下の表は、受け入れのステップごとに企業が行うこと、監理団体やOTIT(外国人実習機構)が行うことを整理したものです。このフローを押さえることで、何を自社で準備すればよいか、どの部分を監理団体に任せるかが一目で分かります。
記事本文では、各ステップの詳細と注意点について順に解説していきます。
| ステップ | 企業がやること | 機関がやること | 期間の目安 |
|---|---|---|---|
| ①受け入れ可能か確認 | ・自社が受け入れ条件を満たしているか確認 ・実習指導員の有無 ・作業環境や宿舎の整備 ・労務条件・安全対策 |
監理団体 ・条件に合致するか相談・助言 |
2週間〜1か月程度 |
| ②監理団体と計画を作成 | ・受け入れ人数・職種・期間などを決定 | 監理団体 ・計画の具体化 ・受け入れに必要な準備(宿舎・生活サポート体制) ・送り出し機関との連絡・調整 |
1〜2か月程度 |
| ③技能実習計画を作成・OTITへ申請 | ・必要な情報の提供(業務内容・指導員情報など) | 監理団体 ・技能実習計画の作成 ・OTITへの提出・申請手続き OTIT ・計画の審査・認定 |
約1〜2か月 |
| ④在留資格を申請 | ・書類の確認・必要事項の提供 | 監理団体 ・在留資格申請に必要な書類の作成 ・入国管理局への申請手続きサポート OTIT ・直接関与しない(認定済み計画が前提) |
約1〜3か月 |
| ⑤入国準備と契約 | ・雇用契約の締結 ・受け入れ準備(作業環境・生活面の最終確認) |
監理団体 ・入国前講習の実施(日本語・生活・マナーなど) ・実習生との連絡・入国サポート 送り出し機関 ・出発前の指導・渡航手続き |
約1か月以上(160時間以上) |
| ⑥実習開始後のフォロー | 実習生への日々の指導・作業管理 | 監理団体 ・実習生の生活サポート ・定期訪問・指導 ・トラブル対応 OTIT ・定期監査・報告チェック ・不正や改善指導が必要な場合に対応 |
ー |
ステップ1:受け入れの可否を確認する
技能実習生の受け入れを進める最初のステップは、「自社が制度の対象となるか」を確認することです。技能実習制度では受け入れ可能な職種・作業が定められており、企業側にも指導体制や人数枠などの要件があります。
まずは自社の業務内容や受け入れ体制が制度に適合しているかを整理し、受け入れの可否を判断することが重要です。以下の流れに沿って、基本条件を確認していきましょう。

技能実習で受け入れ可能な職種・作業を確認
技能実習制度では、受け入れ可能な職種・作業が細かく定められており、まず自社の業務が対象に含まれるかを確認することが重要です。現行制度には「移行対象職種」と「非対象職種」の2種類が存在します。「移行対象職種」とは、1年目の実習修了後に、2・3年目(技能実習2号)へと実習期間を延長できる職種を指します。
現在の対象一覧は、厚生労働省が公表する「技能実習制度 移行対象職種・作業一覧(92職種169作業)」で確認できます。まずは最新情報を参照し、自社の業務の立ち位置を整理しましょう。
| 比較項目 | 移行対象職種 | 非対象職種 |
|---|---|---|
| 特徴 | 2号・3号への移行が認められる | 1号のみで終了 |
| 実習期間(在留期間) | 最長5年間(1号1年+2号2年+3号2年) | 最長1年間(1号のみ) |
また、2027年には技能実習制度に代わって新制度「育成就労」が新設されます。新制度では、受け入れ可能な職種が「特定技能」の対象分野に限定され、3年間の育成を経て「特定技能1号」へ移行することが前提となります。そのため、自社の業務が現行の移行対象職種に該当するかに加え、今後の新制度(特定技能分野)に適合するかの確認も欠かせません。
企業側の受け入れ要件をチェック
技能実習生を受け入れるためには、企業側にも一定の要件が定められています。これは、実習生が適切な環境で技能を習得できるようにするための基準であり、申請前に必ず確認すべきポイントです。
自社が以下の項目に当てはまるかどうか、チェックしてみましょう。
- 指導体制の整備(技能指導員・生活指導員の配置)
- 受け入れ人数枠の遵守(常勤職員数に応じた上限)
- 労働関係法令の遵守(労基法・最低賃金・社会保険など)
- 適切な設備・作業環境の確保
- 過去の不正行為・改善命令の有無
また、受け入れ方式には「企業単独型」と「団体監理型」の2種類があり、多くの企業は監理団体の支援を受ける「団体監理型」で受け入れを行います。まずは自社の体制が制度要件を満たしているかを整理しましょう。
| 比較項目 | 企業単独型 | 団体監理型(一般的) |
|---|---|---|
| 受け入れ主体 | 企業が直接受け入れ | 監理団体が企業を支援しながら受け入れ |
| 技能実習計画の作成 | 企業が自ら作成 | 監理団体が作成をサポート |
| 申請手続き | 企業がOTIT・入管へ直接申請 | 監理団体が書類を取りまとめ、企業を支援 |
| 生活指導・定期訪問 | 企業が主体 | 監理団体が定期訪問し環境を確認 |
| メリット | 自社の裁量で運用しやすい | 手続き負担が軽く、制度運用のリスクが低い |
| デメリット | 制度理解・書類作成の負担が大きい | 監理費用が発生する |
| 向いている企業 | 大企業・制度運用の専門部署がある企業 | 中小企業・初めて受け入れる企業 |
技能実習生の受け入れ企業に求められる条件・資格を分かりやすく解説のコラムもぜひお読みください。
ステップ2:監理団体と契約し、受け入れ計画を立てる
技能実習生の受け入れは、多くの企業が監理団体と連携して進める「団体監理型」で行われます。制度の手続きや法令対応は複雑であり、実務的には監理団体のサポートなしで進めるのは難しいため、受け入れを検討する際はまず監理団体へ相談することが基本となります。監理団体には一般監理事業と特定監理事業の2種類があり、役割や対応範囲が異なります。
| 比較項目 | 一般監理事業(優良な監理団体) | 特定監理事業 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 厳しい優良基準を満たした監理団体 | 通常の監理団体 |
| 受入可能な実習生 | 技能実習 1号・2号・3号 | 技能実習 1号・2号 |
| 最長の実習期間 | 最長 5年間 | 最長 3年間 |
| 受け入れ人数枠 | 枠の拡大が可能(※優良認定必要) | 基本人数枠 |
| 許可の有効期間 | 5年 または 7年 | 3年 または 5年 |
| 許可のハードル | 基本要件+優良要件 | 国の基本要件をクリア |
制度上の違いを理解することは重要ですが、実際の受け入れ可否や進め方は、企業の状況や業種、体制によって大きく異なります。そのため、制度の情報収集だけで判断するのではなく、具体的な受け入れ条件や手続きについては監理団体に直接相談することが重要です。
OTIT(外国人実習機構)では監理団体検索も可能ですが、一覧情報だけでは実務対応の質やサポート体制までは判断できません。実際には、各監理団体ごとに対応力や支援内容に差があるため、複数の監理団体に相談し、自社に合ったパートナーを選ぶことが成功のポイントになります。
協同組合APICO(アピコ)は、厚生労働省から一般監理事業の優良認定を受けた監理団体として、企業の受け入れを総合的にサポートしています。
監理団体が担う役割と企業が準備すべきこと
技能実習生の受け入れを円滑に進めるためには、監理団体と企業がそれぞれの役割を理解し、適切に分担することが重要です。監理団体は、技能実習計画の作成支援や申請手続き、定期訪問による実習環境の確認など、制度運用の中心的なサポートを担います。一方、企業は実習内容の整理、指導体制の整備、必要書類の準備など、現場での受け入れ体制を整える責任があります。
| 比較項目 | 監理団体(サポート・監督役) | 受け入れ企業(雇用・育成役) |
|---|---|---|
| 主な役割 | 実習生の受け入れ窓口、企業への指導・監査 | 雇用契約を結び、OJTを通じた技能指導を行う |
| 契約関係 | なし(支援・保護する立場) | 雇用契約(日本人と同等以上の給与、労基法適用) |
| 入国直後の講習 | 実施する(日本語、生活ルール等) | 原則なし(講習中は業務不可) |
| 現場での技能指導 | 行わない | 実施する(技能実習計画に基づく) |
| 定期監査・訪問 | 3ヶ月に1回以上の監査、訪問指導 | 監査・指導を受け入れ、必要に応じ改善 |
| 生活支援 | 企業の支援をサポート、相談・通訳対応 | 宿舎の確保、口座開設支援、日々の生活支援 |
| 人員配置 | (企業へ選任を指導する) | 技能実習責任者、指導員、生活指導員 |
| 書類・手続き | 計画作成指導、OTIT・入管への申請代行 | 計画原案作成、実習日誌作成、定期報告 |
両者が連携することで、申請の遅延や不備を防ぎ、実習生が安心して技能を習得できる環境が整います。
送り出し機関との連携と候補者の選抜フロー
技能実習生の受け入れでは、監理団体だけでなく、実習生の母国にある送り出し機関との連携も重要な要素となります。ただし実務上は、企業が送り出し機関と個別に直接やり取りするのではなく、監理団体が間に入って全体を調整するのが基本的な形です。送り出し機関は、現地において候補者の募集・基礎教育・日本語学習の支援などを担う存在ですが、企業との直接契約・調整を行うケースは少なく、通常は監理団体が窓口となります。そのため企業側は、送り出し機関との細かな調整まで個別に対応する必要はなく、基本的には監理団体とのやり取りを中心に進めれば問題ありません。
送り出し機関の具体的な役割は以下となります。
- 候補者の募集:現地で応募者を集め、適性を確認
- 日本語教育:基礎的な日本語・生活指導を実施
- 事前面談・適性確認:企業面接前に基礎スキルや意欲を確認
- 渡航準備支援:書類手続き・出国前講習の実施
- 帰国支援:実習終了後の帰国手続きのサポート
企業は監理団体を通じて送り出し機関と連携し、候補者の選抜面接や人数調整を進めていきます。
候補者の選抜フローは以下のような流れで行われます。
ステップ3:技能実習計画の作成と外国人技能実習機構への申請を行う

技能実習生を受け入れるには、実習内容・指導体制・待遇などをまとめた技能実習計画を作成し、OTIT(外国人実習機構)の認定を受ける必要があります。外国人技能実習機構とは、技能実習法に基づき法務省・厚生労働省が所管する、外国人技能実習制度の適正実施と実習生保護を目的とした認可法人です。
計画は実習生ごとに作成し、実習の目的や指導方法、労働条件が法令基準を満たしていることを証明する書類を添えて申請します。2026年3月現在、現行制度の技能実習計画の認定申請は2027年2月まで受け付けられると案内されています。申請は監理団体が取りまとめるのが一般的で、企業は必要書類の準備と実習内容の整理を行います。

※出典:厚生労働省「技能実習制度の概要」
申請時に必要な書類と審査のポイント・留意事項
技能実習計画の申請では、実習内容が法令に適合しているかを確認するため、多くの添付書類が必要になります。提出書類は厚生労働省の「技能実習制度運用要領」に定められており、企業単独型・団体監理型で様式が異なります。主な書類には以下のものが含まれます。
- 技能実習計画書(様式第1号) 会社概要・登記事項証明書
- 労働条件書・雇用契約書
- 指導員の資格・経歴資料
- 実習実施場所の設備写真・説明資料
審査では、実習内容が適正か、労働条件が日本人と同等以上か、指導体制が整っているかが重点的に確認されます。不備があると審査が遅れるため、監理団体と連携し、最新様式を用いて準備することが重要です。
ステップ4:在留資格「技能実習」の申請を進める

技能実習計画がOTIT(外国人実習機構)で認定されると、次に在留資格「技能実習」の申請手続きへ進みます。2026年3月現在、在留資格申請は監理団体が書類を取りまとめ、企業が必要書類を提供する形が一般的です。審査内容は、実習計画と整合しているか、労働条件が適正か、受け入れ体制が確保されているかが重点的に審査されます。
在留資格申請の流れ
在留資格「技能実習」の申請は、複数の主体が関わるため、手続きを正しい順序で進めることが重要です。2026年3月現在、申請はまず監理団体が実習生情報・実習計画・企業書類を整理し、必要書類を一式にまとめるところから始まります。企業は、会社概要、雇用契約案、労働条件通知書、受け入れ体制に関する資料などを期限内に提出し、監理団体が内容を精査したうえで出入国在留管理庁へ申請します。
(追加資料の依頼あり)
審査期間の目安と注意点(2026年時点)
在留資格「技能実習」の審査期間は、出入国在留管理庁が個別に審査を行うため、明確な日数は公表されていません。2026年3月時点では、申請件数が増える時期(4〜6月、10〜12月)に審査が長期化する傾向があり、1〜3ヶ月程度を見込んで準備する企業が一般的です。審査では、技能実習計画との整合性、労働条件の適正性、過去の不正の有無などが重点的に確認されます。書類不備があると大幅に遅れるため、監理団体と連携し、最新様式の使用と内容の整合性チェックが重要です。
審査で特に注意すべきポイントは以下の通りです。
- 実習計画との整合性:計画内容と申請書類が一致しているか
- 労働条件の適正性:最低賃金・労基法・社保加入状況
- 指導体制:技能指導員・生活指導員の配置
- 企業の適正性:過去の行政処分・不正の有無
ステップ5:入国前講習・雇用契約・入国準備を行う

在留資格が許可されると、実習生は母国で入国前講習(法定講習)を受講し、企業との雇用契約の締結を経て入国準備へ進みます。2026年3月現在、入国前講習は日本語・生活ルール・労働法令などを学ぶ必須プロセスとして位置づけられています。
入国前講習(法定講習)の内容と期間
技能実習生は、日本へ入国する前に、母国で入国前講習(法定講習)を受講することが義務づけられています。2026年3月現在、この講習は「技能実習法(正式名称:外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律)」に基づき、以下の内容を学びます。
- 日本語教育:生活会話・職場で使う基本語彙
- 生活指導:ゴミ出し、交通ルール、地域のマナー
- 労働法令:労基法、最低賃金、ハラスメント防止
- 安全衛生:作業時の危険防止、保護具の使い方
- 文化理解:日本の習慣・生活リズムの基礎知識
講習期間は原則 1か月以上の期間かつ160時間以上 とされ、実習生が日本での生活や就労に適応できるよう基礎力を身に着けることが目的です。企業は監理団体を通じて講習内容を確認し、入国後の受け入れ準備を進めます。
雇用契約の締結と入国までの最終準備
入国前講習を修了した実習生は、企業と雇用契約を締結し、入国に向けた最終準備へ進みます。2026年3月現在、雇用契約は日本の労働関係法令に基づき、給与・労働時間・休日・勤務地・住居などの条件を明確に記載することが必須です。契約内容は、OTIT(外国人実習機構)で認定された技能実習計画と一致している必要があります。契約後は、監理団体が渡航手続きを調整し、企業は住居の確保や空港送迎の準備を進めます。
(労働条件・勤務地・給与を最終確認)
ステップ6:技能実習開始後のフォローと育成就労制度への移行対応

技能実習が開始すると、企業は日々の指導や労働環境の管理を行い、監理団体は定期訪問や生活面のフォローを通じて実習の適正運用を支援します。2026年3月現在、技能実習制度は2027年4月施行の育成就労制度への移行期間にあり、実習生のキャリア継続を見据えた対応が求められています。
実習開始後の監理団体のサポートと企業の役割
技能実習が開始すると、企業と監理団体はそれぞれの役割を分担しながら、実習が適正に運用されるよう継続的にフォローします。
▼監理団体が担う主なサポート
- 定期監査(3ヶ月に1回以上)
- 訪問指導・生活状況の確認
- 技能実習計画の運用状況チェック
- トラブル・相談対応(生活・労働)
- 在留手続きの伴走支援
▼企業が担う主な役割
- OJTによる技能指導・教育
- 労働時間・安全衛生・職場環境の管理
- 実習記録・指導記録の作成
- 実習生の生活・職場での相談対応
- トラブル発生時の初期対応と改善措置
2027年4月施行予定の育成就労制度への移行スキーム
2027年4月から技能実習制度に代わり、新たに育成就労制度が施行される予定です。2026年3月現在、政府の報告書では「人材育成を目的とし、特定技能1号への円滑な移行を前提とする制度」と位置づけられています。
育成就労では、受け入れ可能分野が特定技能と同じ分野に限定され、3年間の育成期間を経て特定技能1号へ移行する流れが基本となります。現行の技能実習から育成就労への移行は、
| 段階 | 時期の目安 | 内容 |
|---|---|---|
| 技能実習(現行制度) | 〜2027年2月末 | 技能実習計画の新規申請が可能(最終受付) |
| 技能実習1号の修了 | 2027年4月以降 | 育成就労へ移行するか判断するタイミング |
| 育成就労制度の開始 | 2027年4月予定 | 特定技能と同じ分野で3年間の育成を実施 |
| 育成就労(3年間) | 2027年4月〜2030年頃 | 技能水準・日本語能力を段階的に向上 |
| 特定技能1号へ移行 | 最短で2030年4月以降 | 技能試験・日本語試験に合格すれば移行可能 |
今から受け入れる企業は技能実習と育成就労のどちらを選ぶべきか
2026年3月現在、技能実習制度は2027年4月からの育成就労制度への移行期にあり、判断が必要です。技能実習は2027年2月まで新規申請が可能で、短期的に人材を確保したい企業に適しています。一方、育成就労は中長期的に戦力化を見据える企業に向いています。
判断のためのチェックポイント:
- 受け入れ開始時期はいつか
- 短期的な人材確保か、中長期の戦力化か
- 特定技能1号への移行を前提とするか
- 受け入れ分野が特定技能分野に該当するか
- 企業側の指導体制・日本語支援体制が整っているか
まとめ:初めてでも迷わない技能実習生受け入れの進め方
技能実習生の受け入れは、職種の確認から監理団体との連携、計画作成、在留資格申請、入国前講習、実習開始後のフォローまで、多くのステップを丁寧に進めることが重要です。2026年3月現在は、2027年4月施行予定の育成就労制度への移行期にあり、制度の違いや移行スキームを理解したうえで受け入れ方法を選択することが求められます。
本記事で紹介した流れに沿って準備を進めれば、初めての企業でも実習生を安心して迎え入れることができます。監理団体との密な連携、法令遵守、実習生の生活・技能習得への配慮が、円滑な受け入れと長期的な人材育成につながります。
技能実習生受け入れの流れに関するQ&A
Q1. 技能実習生の受け入れは何から始めるのが正解?
A1. 技能実習生の受け入れは、まず自社が受け入れ可能な職種・作業かを確認することから始まります。次に、制度に詳しい監理団体へ相談し、受け入れ計画の作成や必要書類の準備を進めます。監理団体は制度説明から申請手続きまで伴走してくれるため、早い段階で連携することが成功のポイントです。
Q2. 監理団体はどこまでサポートしてくれる?費用は?
A2. 監理団体は、技能実習の受け入れに必要な制度説明・書類作成支援・候補者選抜・在留資格申請の取りまとめ・定期訪問や生活相談まで幅広くサポートします。費用は監理団体ごとに異なりますが、一般的には監理費(毎月)+入国前の手続き費用で構成されます。
Q3. 技能実習生の受け入れ人数に上限はある?
A3. はい、企業規模に応じた上限(受け入れ枠)が定められています。2026年3月時点では、常勤職員数に応じて上限が決まります。新制度では、3年間で雇用する合計人数を管理する形に移行します。
| 企業の常勤職員数 | 技能実習(現行:年枠) 1年間に受け入れ可能な人数(1号) |
育成就労(新制度:総枠) 3年間で雇用できる最大人数 |
|---|---|---|
| 30人以下 | 3名 /年 | 9名(優良時は18名) |
| 31人〜40人 | 4名 /年 | 12名(優良時は24名) |
| 41人〜50人 | 5名 /年 | 15名(優良時は30名) |
| 51人〜100人 | 6名 /年 | 18名(優良時は36名) |
| 101人〜200人 | 10名 /年 | 30名(優良時は60名) |
| 201人〜300人 | 15名 /年 | 45名(優良時は90名) |
| 301人以上 | 職員数の約5% /年 | 職員数の15%(優良時は30%) |
※詳しくは出入国在留管理庁「育成就労制度について」をご覧ください。

コラム記事監修協同組合APICO
設立以降、建設業や製造業を中心に約130社へ3,000名以上の実習生を送り出してきた実績を持つ。企業と実習生双方にとって安心できる体制を、蓄積されたノウハウをもとに構築する支援を強みとしている。厚生労働省から「一般監理事業」の認可を受け、法務省からは「登録支援機関」として指定された優良監理団体。